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らぶあど encore!
第34章 祈り
「本当にっ?もう痛くないの?」
「うん……今はもう……」
「よがっだあああ……ぼなみい……っ」
あぐりは頬を二、三回ひきつらせた後(のち)ぐしゃりと顔を歪ませ、子供のように泣き始めた。
綾波は周囲を見回し、あぐりの頭を抱え込み叩く。
「おいっ静かにしないか!お前は子供か――!」
「ぶえっ……らっで……ほ、ほなびがじんじゃったらどーじよう、って……」
「病院で縁起でもない事を言うな阿呆!」
「び――っ……よがっだ……よがっだ――!」
「ったく……始末に負えんな……野村を呼んで守りをさせるか――ちょっと電話してくる」
「ああ、俺らは会計と薬待ちだからここに居るよ」
祐樹が頷くと、綾波は、身体中を震わせてしゃくり上げるあぐりを抱えるようにして行ってしまった。