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第34章 祈り

「俺って……ほなみに甘えてばかりで……」

「西君?」



　ほなみが身体を起こそうとすると祐樹が首を振る。



「いいから楽にしてなよ……」

「う……うん」

「つまらない事でほなみをからかったり怒らせたり、子供だよな」

「そ……そんな事ない……よ?」

「そんな事あるだろ」

「う……」



　ほなみは返事に詰まってしまう。恋人同士になった時から――いや、その前から彼のくるくる変わる表情や感情に振り回されてきたが、そういう所もほなみを魅了していたのも本当なのだ。けれど、ほなみが妊娠してからはホルモンの影響からか、彼の良いように合わせる事がキツいと感じる時もある。