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らぶあど encore!
第35章 祈り②



 病院からマンションへ戻るかと思いきや、祐樹はほなみの手を引いたまま知らない道へと進んだ。歩いたのはほんの二分か三分程だったが、普通の家のような外観のホテルがあった。祐樹はほなみを振り返らないまま、低い声で言ったのだ。



 『今夜だけ……抱かせて……』と。



 その言葉の意味が掴めないまま、ほなみは手を引かれるまま祐樹の後をついていった。

 階段を上がった先にそれぞれの部屋があるという、普通のホテルではなくてファッションホテルだ。

 こんな場所へ来たのは久しぶりで、ほなみは落ち着かなく視線をさ迷わせたが、部屋へ着くなり祐樹がほなみの履いているパンプスを当然のように脱がしてキチンと揃えるのを見て、恥ずかしさに頬を染めた。
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