この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
らぶあど encore!
第35章 祈り②
「っ……」
ほなみは頬を染めて絶句すると祐樹を見詰め、彼の真っ直ぐな瞳の輝きに気圧された様に顔を逸らすが、祐樹の長いしなやかな指が彼女の小さな顎を掴み無理矢理彼の方を向かせる。
困った様に視線をさ迷わせるほなみに、祐樹が意地悪な口調で言う。
「さっき、俺を……祐樹――!ってでっかい声で呼んで唇を奪ったくせに……急に恥ずかしがりやになるんだね」
「だ……だって」
ほなみは口ごもり、ますます鮮やかに頬を染める。
祐樹はそんな妻の髪をいとおしげに指に絡ませながら噛み締める様に言った。
「俺……ほなみを失いたくないんだ」
「……西君?」
「ほなみが……俺の前から居なくなるって考えただけでマジで辛い……泣きたくなる……いや、泣くな。間違いなく」
「居なくならないってば……」
彼の言い方がおかしくてほなみは笑うが、祐樹が真剣な表情で見詰めると、ほなみも真顔になる。