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らぶあど encore!
第35章 祈り②
「ほなみが心配で堪らない……恋しい……とか」
ほなみは腕を伸ばし、祐樹の真っ直ぐで、それでいて見た目よりも柔らかな髪を撫でて目を細める。
祐樹がその仕草にうっとりと瞼を閉じるが、次の瞬間強く髪を引っ張られて忽ち顔をしかめた。
「ほっ……ほなみ――」
「あのね西君、私が今欲しいのはそんな言葉じゃないの」
「え、ええっ?」
「私……初めて妊娠して……初めて産むのよ……大好きな西君との赤ちゃんが出来て、二人で赤ちゃんを迎えられるなんて凄く嬉しいし幸せよ……でもね」
「う……うんっ……てててっ」
ほなみは細く白い指に祐樹の髪をぐるぐると巻き付けたままで自分の胸に引き寄せた。引っ張られて祐樹が眉をしかめ呻く。