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らぶあど encore!
第35章 祈り②
祐樹は、ほなみが微かに肩を震わせているのを見て、多分彼女はまた不可解な感情の波に翻弄されているのかも知れない、と思った。
大好きな彼女が笑えばつられて笑ってしまうし、その表情が陰っていれば、胸がチクチクと痛む――でも、自分までが引きずられてしまったら、ダメな場合もあるよな――と祐樹は口角を上げるとほなみの腕の脇に手を滑らせ、指を踊らせた。
ビクンと大きくほなみの背中が震え、くつくつと笑いが起きる。
「……やだっ……くすぐった……やめ……っふふ」
彼女の溢れる笑みに祐樹は安堵し、腰を強く抱き寄せて額に唇を押し付けた。