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らぶあど encore!
第36章 目を醒ますBEAT
あぐりは唇を震わせ、何かを呟いたように見えたが、すぐに寝息を立て始めてしまう。胸が呼吸に上下するのを見て、野村は彼女をこのまま眠らせてあげよう、と思うが、同時に、構わずに身体を思うままにしてやろう、という欲望も沸き上がる。あぐりを最後に抱いたのはいつだったろうか――と考えてしまう程に、彼は彼女の肌に飢えていた。
実際、一緒に暮らしている訳でもなく、最近はバンドのハードなスケジュールで、二人きりでゆっくり会ってもいなかったのだから。
忙しい時には忘れている欲望も、こうして彼女の側にいて、彼女の姿を目にして、その声を聴き、肌の温かみを感じると、途端に際限なく欲しくなってしまう。