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らぶあど encore!
第36章 目を醒ますBEAT
先程まで野獣のようにあぐりを求めてきた彼と、無邪気な寝息をたてている彼が同じ男とは思えなかった。あぐりは彼の腕からそっと抜け出して、額にかかる栗色の髪をそっと指で触れた。
まるで小さな子供の様に無防備に眠る彼が景子の息子と重なり、胸が小さく痛む。
担架に乗せられて白い扉の向こうへと消えた男の子。あれからあの子も景子もどうしているのだろうか――
胸騒ぎを覚えたあぐりは、バッグからスマホを取り出し、景子の番号を指でなぞろうとした。その時、高く短い通知音と共に、ネットニュースが画面に現れる。
目に飛び込んできた文字に、あぐりは釘付けになった。