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らぶあど encore!
第37章 暴発する想い
「私、変ですか」
意味が分からず、何秒か視線をさ迷わせてから、カナが髪を小さな櫛でとかしているのを見て綾波は思い当たり、答える。
「まあまあ良いんじゃないか」
「まあまあってどういう風にまあまあなんですか」
「良い感じにまあまあって事だ」
「言ってること同じじゃないですか」
「あーーハイハイ、可愛い可愛い」
その直後、後頭部に硬い物が飛んできた。痛みに顔をしかめ、信号で停まった際に振り返りカナを睨む。
「お前!何を投げたんだ何を!」
「どうでも良さげな返事をするから悪いんですよーー!キー!!」
カナは車内にあったボックステイッシュを高々と頭上に持ち上げ、投げつけてきた。それも一箱ではなく五箱のお得サイズのやつをだ。
頻繁に鼻血を出す三広対策として車内に常備してあるのだった。
いや、カナの動作は投げるというよりは叩くと言った方が正しい。
「おいっ!おまっ……危ないじゃないかっ運転中に……死ぬ気かっ!」
綾波はカナの攻撃を受けながら耐え、車を路肩に停めた。