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第37章 暴発する想い

「……おいおい……失礼な奴だな……人の顔を見て……」


　シートの間に挟まる格好でのびてしまったカナに苦笑すると、綾波は再び車を発進させる。

　智也の実家へカナを送り届けたら、Uターンして志村の所へ向かわなければならない。

　カナが大人しくなって幸いとばかりに、綾波は涼しげな表情で颯爽とハンドルを切った。


「泣いたり怒ったりは、智也の前だけにしておけよ……」


　クスクス笑いながら、ひとりごちる。

　岸家の大きな門が見えてきた。