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らぶあど encore!
第37章 暴発する想い
「綾波だ」
ワイヤレスにしたスマホに話しかけると、二、三秒して智也が応答する。相変わらず感情の読み取れない声だが、彼が人一倍熱情を秘めた男だと言うことを綾波は知っている。ほなみと結婚していた頃に、その熱情の十分の一でも彼女にぶつけていれば、未来は変わっていたのかも知れないなーーと思っていると、クラシカルな装飾が施された門扉がゆっくりと自動で開いた。
「おお……流石大財閥だな」
綾波は感心しながらアクセルを踏み、広大な岸家の敷地へ入っていった。