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らぶあど encore!
第37章 暴発する想い
綺麗に手入れされた眉毛と、淡い桜色のシャドーが塗られた瞼、低くて小さく、ほんの少し上を向いた鼻、おちょぼ口というのに相応しい、野花のブーケを思わせる唇。
彼女をソファに寝かすと、智也は彼女をつぶさに観察するように眺めた。
カナの顔を見るのが久しぶりだ。ふたりで会っている時にはこんな風にじっくりと彼女を凝視することはない。
智也がじっと見つめると、彼女は何かの化学反応を起こしたかのように真っ赤になってそっぽを向いてしまう。
ーーそんな風に私の顔を見ないでください!蕩けちゃったらどうするんですか!ーー
などと言う。
可笑しな事を言うね、そんな風になるわけないじゃないかーーと智也が両の手で彼女の頬に触れてこちらを向かせようものなら、肘鉄やビンタが飛んでくる。
最初は不意打ちを食らってしまったが、学習した智也は二度目からはカナの攻撃をうまくかわしていた。