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らぶあど encore!
第7章 ライヴ=人生?②
景子はギロリと二人を睨むと、三広の隣に座り顎を掴み、濡れたガーゼで顔を拭い始めた。
三広は目が飛び出さんばかりに大きく見開いて景子を見た。
「綾波さんから聞いたけど……本当によく出すのね……
ライヴ中になる事は?」
「……」
景子の顔をぼうっと見ていた三広は、亮介につつかれて我に返る。
「ラ、ライヴの時は集中してるから……大丈夫」
「そう……でも困った子ね……
売り物の顔を血塗れにして台無しじゃないの」
「う……」
三広は口ごもる。
「三広……何紅くなってんだ」
「て、手長オランウータンは黙れ――!」
「はい、キレイになったわよ?
……衣装に着替えるのはギリギリの方がいいかもね。汚すと大変だわ」
「は、はひっ!」
その時、起きてきた野村がヌボッと現れて三広を手招きした。
「三広……ちょっと。
緊急事態……」
「なんだよ?」
「三曲目のリズム、ちょっと変えないとマズい……」
「え、ええ――?まじ?」
二人は話しながら会場の方へと行ってしまい、ロビーには景子と亮介だけが残された。