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らぶあど encore!
第7章 ライヴ=人生?②
景子は史に投げ捨てられた荷物をかき集め、泣きながら部屋を出て行き自分の家へと戻ったのだが……
家出をしたまま連絡も入れず、挙げ句の果てには妊娠して帰ってきた娘を快く迎える筈もなかった。
両親には中絶しろと言われたが、既に手術を出来る時期では無く、産むしかない。
短大は既に退学扱いになり、史には捨てられ、両親には厄介者扱いされながら、景子は産むしかなかった。
産まれるまでは景子に辛く当たっていた両親だが、孫が産まれた途端に態度が変わった。
赤ちゃんは男の子だった。
景子は我が子を初めて抱いた時、生まれて初めて幸せという物を実感出来た様な気がした。
決して関係が良いとは言えなかった両親とも、赤ん坊がかすがいとなり、家の中で笑いが生まれる様になっていた。