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らぶあど encore!
第7章 ライヴ=人生?②
だが、その平穏な日々はある時を境に崩れて行くのだ。
子供が保育園に入り、景子は役員の仕事をしていた。
夏祭りの打ち上げと慰労会に出かけ、久しぶりに解放された景子だったが、二次会に行こうという話になり、そのまま夜の街へとなだれ込んだ。
見覚えのある風景に景子は立ち止まる。
蔦の葉に覆われた灰色の壁、剥げかけたミントグリーンの手摺の階段……
入り口にあるピンクと黄色の電飾の
"Starrrrrrr"の文字。
そう、史の居るバーではないか。
自分を捨てた史の。
嫌な予感がして踵を反そうとすると、聞き覚えのある声が呼び止めた。
「景子か……?」
憎んだ時もあった。
でも心の底ではずっと会いたいと望んでいた男の声に、景子は
(振り向いたらダメ)
必死に心にブレーキをかける。
だが、後ろからフワリと抱き締められた瞬間、そんな決心は跡形もなく崩れ去った。
子供が保育園に入り、景子は役員の仕事をしていた。
夏祭りの打ち上げと慰労会に出かけ、久しぶりに解放された景子だったが、二次会に行こうという話になり、そのまま夜の街へとなだれ込んだ。
見覚えのある風景に景子は立ち止まる。
蔦の葉に覆われた灰色の壁、剥げかけたミントグリーンの手摺の階段……
入り口にあるピンクと黄色の電飾の
"Starrrrrrr"の文字。
そう、史の居るバーではないか。
自分を捨てた史の。
嫌な予感がして踵を反そうとすると、聞き覚えのある声が呼び止めた。
「景子か……?」
憎んだ時もあった。
でも心の底ではずっと会いたいと望んでいた男の声に、景子は
(振り向いたらダメ)
必死に心にブレーキをかける。
だが、後ろからフワリと抱き締められた瞬間、そんな決心は跡形もなく崩れ去った。