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らぶあど encore!
第8章 ライヴ=人生?③

「だったら……何故?」
「ほなみ……」
愛らしい泣き顔を見ていると、心臓だけでなく体の中身を全部押し潰されたみたいな痛みを感じる。
――俺が……
ほなみを泣かせているんだ。
泣かせたくないのに……
愛せば愛する程、上手に出来ない……
「わかるでしょ?俺がどんなに好きか……」
滅茶苦茶に抱き締めたくなるのを堪え、ほなみから顔を逸らして声を絞り出す。
「西くんだって……
西くんだって!
私がどれだけ好きなのか知らない癖にっ!」
「ほなみ……」
祐樹が振り向いた時、ほなみの唇が重なってきた。
涙の味のする柔らかさを、祐樹はいとおしげに自分の唇で愛した。
ほなみの腕が髪をクシャクシャに乱して来る。

