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らぶあど encore!
第9章 ライヴ=人生?④
「全く!カッコ悪いわね!そんなんでクレッシェンドのギターなの?」
吐き捨てる様な景子の言葉が胸にグサリと刺さり、亮介は俯いた。
「……俺、カッコ悪いよね……」
うちひしがれて、壁に背を向け「の」の字を書く亮介を見て、景子は
(言い過ぎたかしら)と思った。
大の男が女に言われた言葉でここまで凹んでいるなんて、と可笑しく感じると同時に、何故か息子の洋平の姿が重なった。
洋平が転んで泣いたりした時に、景子がおまじないをすると忽ち笑顔になったものだ。
(……洋平……)
景子は、気がつくと亮介を後ろから抱き締めていた。
「――――!」
亮介が跳ねた様に震えた。