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第10章 sugar escort

｢なになに？
動いたの？｣


あぐりが、ほなみのお腹に耳を充てる。


｢ううん……そうじゃないけど……
赤ちゃん、元気かなって……｣


ほなみは両の掌でそっとお腹を撫でた。

あぐりが、そんなほなみを、まじまじ見て溜め息をつく。



｢本当に、嘘みたいよね～……ほなみがママかあ……｣



｢うん……｣



ほなみは、亡くなった自分の両親と、この子を会わせてあげたかった、と想いまた涙ぐむ。



あぐりは察した様に、ほなみを抱き締めた。



｢赤ちゃんも泣いちゃうんじゃない？
ママが泣いたらさ……｣



｢う……う、うん｣



｢ほら！今日は久々にダーリンに会えるし！
久々のパーティじゃない？
どっかーん！と楽しもうねっ！｣



あぐりは、ほなみの背中をポンと叩く。



ほなみは涙を拭い頷きながら、胸をときめかせた。


――そう、今日は、西君に会える……