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らぶあど encore!
第10章 sugar escort
「あああ――!
何故にこんなに涙が溢れるのかしら――っ!?」
「うぐうう……
きっと、ほなみさんのお腹の中の天使様が……
私達の心に溜まった膿を……
涙に変えて洗い流してくれてるんですう――っ」
あぐりはしゃくりあげ、付け睫が取れてしまっているし、カナも顔を真っ赤にして涙でぐしゃぐしゃだ。
ほなみは、困り果てながら二人の背中を擦っていたが、インターホンが鳴ると
「私、出るね?
二人とも、ほら、涙を拭いて?」
と言って、ボックスティッシュを渡してインターホンの画面を覗くが、瞬間、全身が喜びに包まれた。
画面の中で佇み、微笑んで居るのは――
この世の中で一番恋しくて、愛しいひとだった。
「西君……!」
「ほなみ、こんにちは」
画面の中に居ても祐樹は、眩しい笑顔だ。
ほなみは、逸る胸のままに、ロックを解除した。