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第10章 sugar escort

祐樹の瞳が物憂げに臥せられ、ほなみの身体の奥がズクンと疼く。


綺麗な指先が、頬を撫でると、ゆっくりと祐樹の唇が額に触れた。



｢――っ！｣


額に軽く触れただけなのに、身体全部が蕩けてしまいそうだった。



祐樹はゆっくりと唇を離すと、ほなみの鼻を摘まみ悪戯に笑う。


｢んぐっ｣


｢ふふ……
駄目じゃない……そんな色っぽい目で誘っちゃ……｣


｢む、むむ……｣


祐樹は、珍しく頬を染めていた。


ほなみをゆっくりと起こして乱れた裾を直す。



｢こんなに素敵にして貰ったのに……
崩す訳にはいかないでしょ？｣



｢……｣



半端に高められた熱が、ほなみを甘く苛んでいた。


所在なげに、スカートの裾を摘まみ、俯いている。



(顔を上げるのが恥ずかしい……

自分だけがドキドキしているみたいで……)