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らぶあど encore!
第10章 sugar escort
「か、神田く……」
亮介が物凄い速さで走るのだが、景子は足の動きが付いて行けず、もつれて転んでしまった。
「――あ痛っ……」
亮介は振り返り、足の甲を押さえて蹲る景子を見て顔を歪めた。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃないから、こうなってるのよ!……て、痛っ……」
亮介はしゃがむと、脱げた景子のハイヒールを拾い、ヒールが折れているのを見て目を丸くする。
「うわっ……
靴も、景子ちゃんのアンヨも大変な事に――!」
「あ――!居た――!」
まだ黄色い声の集団が追ってくるのを見て、亮介は小声で
「――ちょっとゴメンね」
と呟き、景子を素早く抱き上げ、走り出して地下道へ逃げ、ぐるりと回りまた地上に出て、メインストリートから外れた裏道へ隠れた。