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らぶあど encore!
第10章 sugar escort
そうだ、自分が惑わされている場合ではないのだ。
史の言う様に、亮介を誘惑してクレッシェンドの懐により深く入りこまなくては……
亮介はネット包帯の袋を破り、優しい手つきで景子の足に被せて行った。
「……んっ」
その優しい、脆い硝子に触れる様な感触に、思わず声を漏らしてしまう。
こんな触れ方をされたのは、初めてではないだろうか。
まるで自分が宝物の様に扱われている錯覚に陥ってしまいそうになる。
亮介は目をまた潤ませた。
「ゴメン、痛かった?」
景子は、首を振り、口を付いて出た言葉はこの上ない素直な気持ちだった。
「……ありがとう」