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らぶあど encore!
第10章 sugar escort
時計の秒針が、やけに部屋に響く。
呼吸の音さえうるさく感じて、息をするのも躊躇ってしまう。
握られた掌はみるみる内に亮介の熱が伝わり、手先にまで巡る血が脈打っているのがわかる。
景子の両手を包んでいる大きなその手は、骨ばってはいるが指先にたおやかな優しさを感じた。
いつの間にか見とれていると、亮介の唇が僅かに動き、景子は弾かれた様に体を震わせる。
その時、自分の心臓が激しく打っている事に気づいた。
(わ、私……
私が誘惑している筈なのに……
何故……)
「――俺は」
言いかけた時、ドアが開き、三人の店員が服やら靴やらを持って入って来て、亮介は口をつぐんだ。