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らぶあど encore!
第10章 sugar escort
キャスター付きのハンガーに何着ものドレスを掛けてカラカラと音を立てながら二人の店員が景子の前に立った。
ピンクの髪の店員が靴の箱を十位積み上げバランスを取りながら床に降ろすと、満面の笑みを浮かべる。
「私の独断と好みでいくつかのコーディネートをご用意しました……
さあ、まずはこれからお試しして見ましょうか?」
ピンクの店員は、どうやら女性らしい事をようやく景子と亮介が察する。
上品なパープルの、左肩に白の大きなリボンが付いたドレスを店員が広げ、景子に見せてみる。
「素敵でしょう?
……このお色が似合う方はなかなか居ないんですけど……
お客様にはピッタリだと思います!
紫と言えば、平安の世では高貴を現す色でした……
凛とした美しさの中に垣間見える可愛らしさ……それを演出した見事なデザインだと思います――!さあ、さあ!」
ピンク店員のマシンガントークに、景子は圧倒されながら亮介の袖を引っ張る。
「ね、ねえ……
私、靴はともかく、こんなドレスまで要らないわよ……」