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らぶあど encore!
第14章 それぞれの、朝 ①
亮介は、景子を背中から抱き締めると耳に囁いた。
「――昨夜、素敵だったよ」
「――っ!?」
景子は、目を真ん丸にして真っ赤になり振り返って亮介を責める様に唇を尖らせた。
亮介は、その反応にほくそ笑み、景子の艶やかな髪を指に絡め取る。
全く昨夜の事を覚えていない様子に、亮介は呆れながらも、可愛いと思い景子を見つめた。
最初は、厳しくて意地悪な女だという印象だったのだが、虫に怯えて小さな女の子の様に泣く姿、ステージに尻込みする亮介に厳しくハッパをかける勇ましさ、あぐりやカナに責められても虚勢を張り続ける気丈さに、ふと見せる誘う艶かしさ。
そして、亮介が強引に口付ければ素直に感じてしがみついて来る。
色んな表情を見せる彼女に、亮介は不思議に心を掴まれていた。