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らぶあど encore!
第14章 それぞれの、朝 ①

「ま……って……
き、聞きたい事……が」
景子は、呼吸を乱して亮介の胸を腕で弱々しく押す。
亮介は、動きを止めると首を傾げて笑う。
「なあに?
……何でも、答えるよ?
何でも聞いて?」
景子は、胸元のパジャマをかき集め身体を起こすと懸命に平静を装う。
しかし装ったところで、亮介には総てお見通しなのだろう。
楽しそうに笑い見つめるその表情に景子はときめきながら、反面悔しく思う。
「ゆ……昨夜……
私、と……あ、あなたはっ……
べ、別に、何でも関係ないんだけど……
い、一度や二度……ね、寝たとしてもっ……
わ、私は貴方の所有物にはならないしっ」
そこまで言って絶句する景子は、真っ赤な顔のまま下を向いてしまった。
亮介は吹き出す。
彼女が、今更尖った振りをしたり冷たい物言いをしたところで、亮介にはそれが総ていとおしく見えてしまうのだから。

