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らぶあど encore!
第14章 それぞれの、朝 ①
亮介の目が大きく見開かれると、景子は、感情のままを吐き出した事を後悔し目を臥せた。
(もう駄目……
私の……負け……)
不意に、頬が温かくなる。
亮介が、両手で景子の頬に触れて、この上無く柔らかく笑っていた。
「景子ちゃんの、言う通りだね……
俺、ズルいよな」
「……」
亮介の瞳の中には、いとおしむ光が宿っている。
それが錯覚で無い事を、景子は知りたかった。
頬に添えられた亮介の手に、景子は手を重ね、彼を見つめる。
亮介は、どこまでも優しく、景子に笑った。
「――俺、景子ちゃんが、好きだ」