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らぶあど encore!
第15章 それぞれの、朝 ②
「えっ……
そ、そうなの?」
野村は、拗ねた様に頬を膨らませそっぽを向いた。
そんな表情をする彼を、誰が見た事があるだろうか。
あぐりは、胸の奥が小さくキュンと疼いた。
サラサラでフワフワの綺麗な栗色の髪に手足が長く今時の派手な顔立ちの彼は、一見ホストかと思ってしまうが、実は真面目で義理堅く、そして何よりあぐりにとことん甘いのだ。
まさか、クレッシェンドのクールなベーシストの彼が子供の様に拗ねるなんて、ファンは思いもしないだろう。
あぐりは、優越感といとおしさに頬を緩ませながら、彼の頬を両手で挟みそっと唇にキスした。