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らぶあど encore!
第15章 それぞれの、朝 ②
普段強気なあぐりのそんな姿が可笑しかったが、野村はわざと、固い表情を作る。
「――ある日、ドカーン!て、崩壊するかも知れないな……
この顔」
あぐりは怯えて目に涙を溜めている。
「ど、ドカーン?」
「そうそう、ひょっとしたら、今度あぐりに会う頃には見る影も無くザザーッて崩れてるかもね」
「ザ、ザザーッ……」
あぐりは真っ青になると、野村の胸にしがみついて絶叫した。
「の……野村君の顔をクラッシュさせるなんて……
そんなつもりは無かったのよ――!
ゴメンね!ゴメン……!
私……私、責任取るから――!」
「ふぅ~ん?
じゃあ、責任取って、お婿さんにしてもらおうかな」
野村は、笑いたいのをグッと堪えて奥歯を噛み締め、すっとぼけた声を出した。
「――はいぃっ! 」
半ばキレ気味な返事が、耳にキンキン響く。
「……え?」
耳を押さえながら野村はあぐりを見た。