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らぶあど encore!
第15章 それぞれの、朝 ②
あぐりは、泣きそうに瞳を盛り上がらせ、野村の眉を指でなぞり、通った鼻筋、頬から形の良い唇を順に触れて行き、瞬きした瞬間大粒の涙が野村の膝上に落ちた。
「わ……わ……私っ!
野村君がぐしゃぐしゃな顔になっても……
すっ……好き……だから」
野村の頬が喜びに綻び、大きな掌であぐりの頬を包んで自分の方へと引き寄せた。
「あぐり……本当?」
あぐりは泣きながら何度も頷く。
「ひっ……
ほ、本当は……
ぐしゃぐしゃな野村君じゃ……ない方が……
いいけどっ……
ち、ちょっと崩れるくらい……なら……
だ、大丈夫……たぶんっ」
「おいおい」
野村はあぐりの頭をポンポン叩いてくしゃり、と笑った。