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らぶあど encore!
第15章 それぞれの、朝 ②
黙ってしまったあぐりを、野村は心配そうな目で見ていた。
あぐりは、彼を見れずに顔を逸らそうとするが、大きな掌で額に触れて、彼は難しい表情をし、唸る様に呟いた。
「う――ん、熱はない……?
ん?……熱い、様な熱くない様な……
わかんないな……」
「ご、ゴメン、大丈夫だよ……あ痛たっ……!」
突然、目の奥に鈍痛が走り、あぐりは目を瞑る。
治まったと思っていた頭痛がまた始まってしまった様だ。
「あ~……
やっぱり具合良くないじゃん……
あぐり、薬ある?」
あぐりは首を振る。
元々が頭痛持ちのあぐりは病院で薬を処方して貰っているが、最近は忙しくて行けていないのだ。
「……病院行こうか、俺も付いてくから」
野村の言葉に、あぐりは慌てた。
「ちょっと!
貴方、そんな目立つのに……
騒ぎになったらどうするのよっ」
野村は、脱ぎ散らかした服を素早く身に付け、あぐりの下着を手に取り着せようとして来たが、あぐりは真っ赤になり拒否した。
「バッ!バカっ!
自分でやるわよ!」