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らぶあど encore!
第16章 不穏な前兆



母親は、ふんと鼻を鳴らし馬鹿にした口調で言う。


「……それとも、あんたがこの男に騙されているのかしら?
あんたは男を見る目がないからねぇ~」



「な……」



景子は、思わずカッとなり反論しようと口を開くが、洋平が突然身体を折り大きく咳き込んだ。



「洋ちゃん……大丈夫?」


側に寄ろうとする景子を手で母は制し厳しい口調で言った。



「大丈夫?ですって?
ようちゃんはね、ここの所ずっと熱が上がったり下がったりで良くないのよ……
あんたは、一月に一度しかようちゃんに会わないから知らないでしょうけどね?」



(――それは、あなたが私を洋ちゃんから引き離したから……
一月に一度の面会以外来るな、と言ったのはあなたでしょう?)

そう叫びたくなるのを堪え、景子は努めて冷静に聞いた。


「熱が……
下がらない……の?」



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