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らぶあど encore!
第16章 不穏な前兆
自販機スペースで揉めているカップルが居ると思いきや、あぐりと野村ではないか。
景子と母の会話を見ていたあぐりがいきり立ち飛び出しそうになるのを野村が必死に止めていたのだが、あぐりの頭突きが野村の顎に決まり、彼は悲鳴をあげて自販機に凭れかかっている。
「キャア――っ!
ご、ゴメン!大丈夫っ?」
「……ら、らいろー……ふ……らふん……」
あぐりは、へたり込む野村の目の前で土下座した。
「ご……ゴメンなさいっ!
もう二度と頭突きしないって誓いますから――!
許して野村君――っ」
その騒ぎに周囲の患者や見舞い客も注目していた。
亮介はやれやれ、と肩を竦めた。