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らぶあど encore!
第16章 不穏な前兆
「……っ」
景子が絶句してスマホを握り締め立ち尽くしていると、頬に冷たい物が当たる。
ビクリとして振り返ると、笑顔の亮介がフラペチーノの容器を手に立っていた。
「せっかくの飲み物が溶けるよ?」
亮介は、景子の肩を抱いて一歩踏み出すが小さな彼女の指が亮介のシャツを握り締め、彼の歩みを止めさせた。
「景子ちゃん?」
「わ……私……」
目に涙を溜め肩を震わせた景子は、まるで凍えた小さな仔猫の様にか弱く見える。
亮介は、真顔になると脇のテーブルに飲み物を置き、景子の細い手を取って彼女を見つめた。
「わ……私……
私ね……」
景子は、何かを言おうと唇を開くが亮介と目が合うと涙を溢れさせ、首を振りまた俯いた。