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らぶあど encore!
第18章 波瀾のdate
「――笑わないで!」
ほなみは席から立ち上がる。
「ほなみ……?」
祐樹は、目を見開いて呆然とわななく妻を見上げるが、ほなみは捨て台詞の様に
「初めて私に会った時みたいに、他の人にキスするかも知れないじゃない!
こんな変な心配するのも、西君のせいなんだから!
西君のバカっ!」
と叫び、祐樹に背を向けて速足で歩き出した。
「ちょ……」
祐樹も慌てて立ち上がり、ほなみの後ろ姿を追い掛ける。
店員や、客達は祐樹に口々に言葉を掛けた。
「また、お二人でいらしてくださいね!」
「西君、奥さんを怒っちゃダメだからね~?」
「はま子さんと仲良くね~」
祐樹は、ほなみの姿を見失わない様に追い掛けながら、皆に笑顔でお辞儀した。
「ありがとう……
お騒がせしてゴメンね?」
軽くウィンクをして店のドアを開けた時、中から溜め息や小さな悲鳴が聞こえた。
「ほなみ――!」
祐樹は人込みの中に埋もれそうな華奢な背中を追い掛けた。