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らぶあど encore!
第19章 心~crossroads
「何してんだ!
バイト代からさっ引くからな!」
店長に怒鳴られ、史は
「すいませ~ん」
と笑い飛び散ったグラスを片付ける為、店の裏口に箒を取りに行った。
箒を握り締めながら、かつての仲間が画面の中でスポットライトを浴びる姿が過り、史は箒を振り上げ地面に叩き付けた。
「畜生っ……
何故、俺だけがこんな所に―!」
西本祐樹は、史の書く曲をいつも誉めていた。
「史は天才だよな~!
俺、デビューするなら史の曲じゃないとヤだ!」
「誉めても女は紹介しねーからな」
「史に回して貰わなくても女の子なら間に合ってるからね~」
「ハハハ……
お前、嫌な奴だな……」
こんな軽口を言い合った高校時代は遥か昔だ。
クレッシェンドが演奏していたポップな楽曲が耳に障り、史は歯軋りした。
――何が、史の曲でデビューしたい……だ。