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らぶあど encore!
第20章 Don't worry,I Love you
帰りのタクシーの中ほなみと祐樹は身体を寄せあっていたが、御互いに言葉を交わす事はなく無言だった。
沈黙を破ったのは、ほなみだった。
「……透先生はね」
祐樹の頬がピクリと動いた。
ほなみはその表情を伺いながら、彼のしなやかな 指を撫で話す。
「あの病院、小児科と産婦人科でね……
白衣だと……
怖がる患者さんがいるから……
あんな格好でいるの……
小さい子供に、透先生大人気なの……
もし、赤ちゃんが産まれたら……
あの病院でそのままお世話になればいいかなあって……」
「う~ん……
それは、分かったけどさあ……」
祐樹は、ほなみの鼻を摘まんだ。
「むぐっ」
「……あいつが、無駄に格好いいのが気に入らない……」
祐樹は唇を尖らせたまま、ほなみの鼻から首筋に指をつつ、と移動する。
「やんっ」
ほなみは、くすぐったくて笑った。