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らぶあど encore!
第20章 Don't worry,I Love you
祐樹は目を剥いて言い返す。
「違~う!
絶対俺の方が惚れてる!」
ほなみは頬を膨らまし、彼の耳を軽く引っ張った。
「そんな事ないし!
……西君の方がモテるし……
私、あと百回はヤキモチ妬くと思うよ」
「じゃあ、俺は二百回は軽くいくよ!」
「ええ――っ?」
二人は目を見合わせ、吹き出し笑いながら抱き合うが、運転手が到着を告げると、真顔になり、笑いが止む。
一緒に過ごせる時間は、もう終わりだった。
祐樹は自分のマンションに帰り、また暫く会えない日々が始まる。
志村のマンションの前にタクシーが停められ、夜の闇の中にハザードランプが規則的に瞬き、見詰め合う二人の切ない表情を照らしていた。
ほなみは祐樹に促され降車し、彼が乗る後部席側に立つ。
祐樹は窓を開けると右手の小指を差し出し、ほなみも自分の小指を絡めた。