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第20章 Don't worry,I Love you

祐樹はおどけて歌う。


｢……浮気したら～
百回分の罰ゲーム～
浮気したら～……
百回分のデコピン～！
指切った！｣



ほなみは笑うが、その目尻には涙が滲む。


祐樹も切なげに顔を歪ませるが、ほなみの手にキスして、とびきり甘く囁いた。



｢毎日、電話するよ……
もし電話出来なかったら、メールするから……｣



ほなみは、言葉を返す事が出来ずにしゃくり上げながら何度も頷いた。



祐樹は困った様にほなみを見上げる。



｢も～……
そんなに泣いたら、赤ちゃんも心配するよ？
てか、俺が誰より心配になるよ……｣


｢う……うん……
次は……二週間後に、会えるものね……
私……楽しみにしてるから……
クレッシェンド……頑張って……｣


ほなみは、懸命に笑顔を浮かべ、絡めていた指を離し一歩下がる。


祐樹が手を振ると、タクシーはゆっくりと走り出した。


祐樹は手を振るほなみの姿を見詰めていたが、やがて見えなくなってしまうと深く溜め息を吐き出し、シートに沈んだ。