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らぶあど encore!
第20章 Don't worry,I Love you
綾波は、まだ愉快そうにくつくつと笑っている。
『まあ……
たまにはそうして反省するのもいいが、いつまでもしょげていたら、それはそれでカッコ悪いぞ。
ほなみにも、ファンにも情けない姿を見せるな!
……でないと、どっちも誰かにかっさらわれるぞ?』
綾波に檄を飛ばされ、祐樹は途端に表情を引き締める。
「――勿論、分かってる」
『分かってるなら結構だ。
……二週間、レコーディングだろ?
しっかりやれよ。
とびきりの曲を作って、ほなみを痺れさせてやれ』
「ああ……そのつもりだけど……」
祐樹は溜め息混じりに曖昧に言葉を濁す。
実は、ここのところ、曲が出来なくて苦しんでいたのだ。
『何だ。
そんなに寂しいなら、俺が泊まりに行ってやろうか?ん?』
からかう様に言われ、祐樹は唇を尖らせる。
「子供じゃあるまいし、平気だよ……」
その時、電話の向こうで綾波の物ではない、高い声がした。
『そうかそうか……
なら大丈夫だな……
では、俺は、俺の姫様と今から仲良くする時間だ……
じゃあな』
綾波は、少し早口になりそれだけ言うと通話を切った。