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らぶあど encore!
第21章 揺れる想い
亮介が激しい扇情的なリフを鮮やかに奏で、その見事さに景子は思わず拍手をする。
彼は弾き終わると、感無量といった晴れ晴れとした笑顔になりギターを高々と上げるが、祐樹は事も無げにダメ出しをした。
「――亮介。
曲の中のバランスを考えろよな。
クレッシェンドはヘビメタバンドじゃないぞ」
祐樹が軽く彼を睨み、景子はその静かな迫力に気圧されて、拍手してしまった行き場のない手を後ろに廻した。
祐樹がチラリとその仕草を見て微かに笑い、
「その熱いハートと技術は素晴らしいって認めるよ。
景子ちゃんも痺れたらしいし」
と言うと、亮介は向こうで大袈裟にガッツポーズを決めてはしゃいでいる。
「も……もうっ」
景子はつい、頬を赤らめた。