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らぶあど encore!
第21章 揺れる想い
「アウチ――!
……こんのチビ猿――!何すんだ――!
猿でしかもチビのくせに人間様に刃向かうとはいい根性してるな――!」
亮介は起き上がり、三広を指差して怒鳴る。
「猿じゃないわ――!
てか、猿を馬鹿にすんな――!
人間は元々猿から始まったんだからな――っ!
ついでにチビも馬鹿にすんな――!
チビはチビなりに懸命に生きてるんだよ――!」
三広はスティッキを素早く亮介の脇に差し、グリグリやり始めた。
亮介は何故か避けずに身を捩り絶叫する。
「ヒィヤアアア――っ!
止めて止めてヤメテそこは弱いの――っ」
へたり込み、壁に凭れて悶絶する亮介を、三広はスティッキでつつき狂喜している。
「ハハハハ――!
ざまあ見ろ人間め――!
飼い犬……猿に手を噛まれるとはこういう事なんだよ――!
ギャハハ」
「……ち、ちょっと貴方達……」
景子は、じゃれ始めた二人を唖然として見て、このままでは不味いと思い声を掛けるが、野村が掌をヒラヒラ振り言う。
「いつもの事だよ……
今に飽きると思うから、放って置けばいいよ。
……景子さんも休憩してきたら?
俺は……ちょっと寝てくる……ふああああ」
野村は盛大に欠伸をしながら出て行った。