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らぶあど encore!
第21章 揺れる想い
亮介も一緒に笑うが、ふと真顔になる。
景子は彼の真剣な眼差しに笑いを止め、息を呑んだ。
喉が異様にカラカラだと気が付く。
それ程、自分は緊張しているのだ。
彼はどうなのだろうか。
いつも飄々とした空気を纏い、皆を笑わせる為に身を砕いている印象だが、彼の素の姿を知っている人間は少ない様な気がしてならない。
(――亮介君が、本当の姿になるのは……
どんな時なのかしら)
景子は、ふとある考えが浮かび、途端に赤面する。
亮介は目ざとく見付け、悪戯する様に、景子の鼻を摘まんだ。
「どうしたの~?
紅くなって可愛い~!
……そろそろ俺に惚れたのかな~な~んて」
景子はその一言に一際頬の赤を濃くするが、軽口で言い返す事も出来ず、彼の手を振り払う事も出来ず、目を逸らしてしまう。