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らぶあど encore!
第21章 揺れる想い
「はい、どうぞ」
ピラフとミネストローネを容器によそい、亮介の前に差し出してスプーンを渡すが、彼は考え込むような顔をしてから、おどおどした口調で言う。
「お、お願いがあるんだけど……」
お茶を淹れながら、景子は首を傾げた。
「何?」
亮介は、口を開きかけるがまたつぐみ、景子と目が合うと下を向き、頭を掻く。
「……何よ」
景子が怪訝な声を出すが、亮介はまだ無言のままだ。
「――ハッキリ言いなさいっ!
男の癖にイジイジしてんじゃないの!」
景子がイラッとして怒鳴ると、亮介はビクリと震えた。
「ヒイッ!
ご、ごめんなさい――!」
「もうっ……何なのよ!
さっきはあんなに……」
景子はオドオドする亮介を見て呆れながら、先程の彼の強引さと色気を思い出し、紅くなり口ごもる。