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らぶあど encore!
第21章 揺れる想い
「あっ……
コラ――!」
景子が目を剥き殴りかかろうと握った拳を上げるが、亮介が両手でガッチリ掴み阻止する。
「真剣白刃取り――!
たあっ――!」
「あ――んっ!
取られた――悔しいっ!」
景子が足踏みしながら叫ぶと、亮介は吹き出し、景子も釣られて笑う。
暫く笑い合い、亮介はごく自然な仕草で景子の肩を抱き、景子は彼に頭をもたせかけた。
「御馳走様、けーちゃん」
「けーちゃん?」
「だってさ、今や皆に景子ちゃん、て呼ばれてるじゃん。
俺は、ワンランク上に行きたいんだよね」
「何のランクよ……ふふ」
亮介は、景子の髪を指に巻き付けて弄びながら言う。
「――けーちゃんはさ、色んな事を抱えてると思うんだよね」
景子は、ドキリとして彼の目を見たが、彼は凪いだ優しい眼差しだった。