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らぶあど encore!
第21章 揺れる想い
「俺は、一人より二人、二人より三人だと思うんだよね」
「え……?何よそれ」
「一人じゃにっちもさっちもいかない様な難しい事もさ、人数いればさ、皆の力が合わさって、スゲー事が出来ると思う」
「なんか、よくある綺麗事みたいに聞こえるけど……」
景子は、苦い想いが甦る。
一人きり、孤独だった学生時代。
陰口を言われ、遠巻きにされていたあの頃。
亮介が言うのはいわゆる
"助け合い"の精神の事なのだろう。
助け合うも何も、最初から仲間なんて居なかった。
大体が、両親でさえ冷淡だったのに――
亮介は、黙ってしまった景子の手を強く握る。
「けーちゃんの過去は、俺まだ知らないけど……
今は、少なくとも俺が居るよ」
「……っ」
亮介は、ウィンクした。
「俺だけじゃ無くてさ、メンバーとか、綾ちゃんや智也さんとか……
皆が居るじゃない」
何か反論したげに唇を尖らせる景子に、亮介は被せる。
「――いや、でもやっぱ、俺が一番にけーちゃんを助けたいけどね」