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らぶあど encore!
第21章 揺れる想い
――いいか景子、奴等の懐に入り込んで、最後の最後でどんでん返しをかましてやろうぜ――
一週間前、抱かれた後、史に囁かれた。
自分は、最初から皆を欺く為にここに来た筈なのに、今は、その目的を忘れかけている事がある。
――私は、この中で幸せに酔ってはいけないのに……
"あ――っ幸せだな"
先程、亮介が景子の料理を食べながら言った言葉が胸に過り、鼻の奥がツンとする。
幸せ――
そんな言葉を、史は言ってくれた事があっただろうか。
いや、今まで他の誰も、言わなかった。
私は、誰かを幸せに出来る?
今からでも、間に合うの?――