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らぶあど encore!
第21章 揺れる想い
景子は、呆然と立ち尽くしていたが、我にかえり亮介の側へ歩み寄り、触れようとする。
「よし――――っ!」
亮介は突然起き上がり、景子は驚き胸を押さえ彼を見上げた。
亮介は、先程までの情けない表情では無く、精悍な輝きをその瞳に宿していた。
「さあ、やるぜ――っ!」
亮介は腕を振り回し、スタジオに入っていった。
一人取り残された景子は、高鳴る胸を手で触れながら、亮介の言葉と、史の悪魔の様な微笑みを交互に甦らせ、溜め息を吐いた。
(私は――
史に愛されていない。
けれど、史の事は嫌いになれない……)
景子は、スマホを出し、保存された写真の洋平の笑顔に、史の確かな面影を見ていた。
(史は……
洋ちゃんのパパだもの……
似ていて当たり前よね……)
洋平の顔を指でなぞっていたら、不意にメールが鳴り、心臓が跳ね上がる。