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らぶあど encore!
第22章 思いがけぬ邂逅
いつものクールなイメージの彼女とはかけ離れた行動に、ほなみは目を丸くするが、泣いていた赤ん坊が、途端にキャッキャと声を上げたのを見て、ほなみも安堵して笑顔を溢す。
「いいお顔でちゅね~!
じゃあもう一度~
いないいない~ばああ~!」
赤ん坊は、母親の腕の中から飛び出してしまいそうに身体をゆらし、コロコロと笑った。
(ーーわあ……)
ほなみは、何とも表現しようのない……鈴を転がす様な、と言うのとも違う。
赤ん坊が上げる笑う声に感動していた。
祐樹がいつか、ほなみのお腹を撫でながら言っていたのを思い出す。
『……どんなスゲー上手いバンドの演奏や、世界的に高名なピアニストが奏でる旋律でも、敵わない程に美しくて耳に残る音が、この世にはあるんだ……
それは……小さな子供の笑い声と……』
『それと?』
ほなみが聞くと、祐樹は蕩けそうな瞳で見つめ、こう言った。
『……ほなみが、俺に抱かれて上げる声』