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らぶあど encore!
第22章 思いがけぬ邂逅
「ねえ、熱でもあるの?
顔が赤いわよ」
「えっ……」
景子に言われて、ほなみは気恥ずかしくなり頬を掌で押さえた。
「具合が悪いなら、先生に相談しましょう……」
「だ、大丈夫!
今日、暑かったしのぼせたのかも……」
赤ん坊がまだ賑やかな笑い声を上げるのを見ながら二人はそんな会話をするが、お互いに不思議な感覚にとらわれていた。
ついこの間までは、目を合わす事も憚られる程に苦手と思っていたのに。
その時診察室のドアが開き、透が眉間に皺を寄せて言った。
「……随分賑やかですな……
赤ん坊は仕方がないとして、お母様方はなるべくおしとやかにお待ちいただきたいですね……」
「あっ……透先生……すいません」
ほなみが頭を下げる横で、景子は目を見張った。
透も、一瞬驚いたように口を開ける。
景子は、椅子から立つと深々とお辞儀した。
「お久し振りです……先生」